大江ノ郷自然牧場(有)ひよこカンパニー
鳥取の八頭だからできる日本一笑顔が集まる牧場づくり

豊かな自然を生かし農業と食文化の創造で地域の活性化に貢献する
鳥取県の南東部、八頭町大江谷。中国山地の緑に囲まれたのどかな里山に、県内外から年間35万人が足を運ぶ観光施設がある。《大江ノ郷自然牧場》は、ニワトリが自由に鶏舎を駆け回る平飼い飼育で《天美卵(てんびらん)》を生産している。その卵を使った牧場スイーツ専門店《ココガーデン》、そしてレストラン・直売所・食と農の体験教室から成る《大江ノ郷ヴィレッジ》が、ひとつの広大な敷地に集まっている。訪れる人のお目当ては、周囲の自然をガラス越しに眺めながら楽しめる、自社ブランドの卵をふんだんに使ったパンケーキや卵かけごはん、バウムクーヘンなどのスイーツだ。1時間以上の待ち時間も、苦にならない。けっして一過性のブームではなく、ここでしか味わえない味を求めて集まるリピーターの数は、年々増える一方である。この大江ノ郷自然牧場を運営するのは、天美卵の生産販売を行う《農業法人・(有)ひよこカンパニー》だ。
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牧場創設は1994年。養鶏業を営む家に生まれた小原利一郎社長が、市場相場に合わせて卵を生産する近代養鶏業に疑問を感じ、29歳で独自に平飼い飼育による養鶏業を始めたのが始まりだ。本当においしい卵は、ニワトリ本来の自然な姿で育ててこそ得られる。その想いから、太陽の光と風を受けた鶏舎内でニワトリを自由に走り回らせ、抗生物質などの薬品を使わず、天然原料を主体にした餌を与えて育てるという、昔ながらの平飼い飼育にこだわっている。生産した《天美卵》は、安心安全で卵本来のおいしさを求める消費者の元に直接届けるという、通信販売にこだわった。「平飼い飼育はコストもかかり、その価値をわかってくれる人でないと、手にとってはくれません。立ち上げ当初は、飼育の一方で営業活動に奔走し、相当苦戦しました」と、小原社長はふり返る。
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大江ノ郷自然牧場の創設者、小原利一郎社長
事業拡大はふるさとへの恩返し
天美卵の通販事業が軌道にのった2008年、6次産業化をめざして牧場スイーツ専門店の《ココガーデン》を設立。それまで外部の人がほとんど来なかった場所に、初年度で3万人ものお客様が訪れた事が、その後の大江ノ郷自然牧場の転機になった。「ココガーデンは、私たちに“信用”という財産を与えてくれた施設です」と、小原社長。小さな集落に多くの人が集まることで大江ノ郷自然牧場に注目が集まり、創業たちが、なお一層、協力してくれるようになった。11年には、智頭町の誘致企業として、自然循環型の牧場を建設している。「信用を得た事で、自分たちがやりたいことを実現できる可能性が広がりました。ココガーデンは、自社ブランドの卵のおいしさを多くの人たちに知ってもらう目的で開設しましたが、平飼い養鶏のスタートの頃から応援してくれた地元の人や、土地を提供してくれた人へ恩返しをするためにも、もっと大きな視点に立った取り組みを志すことにしたのです」2016年には、里山の資源を生かした食と農の複合施設《大江ノ郷ヴィレッジ》をオープン。子どもから大人までが、里山の自然や農業とふれあい、食の恵みを体感できる施設は、地域の交流人口増大に大きく貢献している。




大江ノ郷自然牧場の魅力って?
自身の成長を感じられる、やりがいある職場で働けること

廣畑さん
所属 : 飼育/コッコ愛情飼育 所属(2017年入社)
《コッコ愛情飼育》で、コッコたち(鶏)のお世話をしています。午前は卵を集めて本社に運び、午後は産卵現場向上のための作業や掃除など。最初は鶏の飼育について何も知らなかったけど、新しいことを勉強して実践したり、指導を受けたりする中で、仕事が楽しくなりました。コッコのために次は何をしようかな?
世界で一番美味しいパンケーキを、世界中に広めていきたい

五利江さん
所属 : 接客サービス/ココガーデン 所属(2016年入社)
オーダー取りから料理提供、レジなど、店内で直接お客様と接する業務や店づくりを担当。年1・2回はイベントを担当し、売上・来店目標数、イベント内容など、企画書作成から準備します。今の目標は、お客様を第一に考える視点を持ち、自分の接客技術を磨いていくこと。大江ノ郷は、目標をもって仕事ができる場所です。
この会社で働けて本当によかった

山根さん
所属 : 出荷梱包/GPまごころ梱包 所属(2012年入社)
大江ノ郷自慢の卵とスイーツを、まごころこめて全国へ発送する業務を担当。商品の検品、梱包から資材の管理、人員のシフト作成など関わる業務は幅広いけれど、自分で工夫しながら楽しく働けています。
人とのつながりが感じられる場所

堀場さん
所属 : 調理/大江ノ郷製麺所 所属(2016年入社)
うどんの仕込みと調理、料理の提供などを担当。オープンキッチンの職場はスタッフやお客様との距離が近く、部署が違うスタッフ同士の連携や店頭でのお客様との交流から、人と人との繋がりを実感します。
お客様に満足していただける商品を

前島さん
所属 : 菓子製造/アトリエ 所属(2017年入社)
バウムクーヘンの製造を中心に、他のケーキ類の製造補助、季節スイーツの仕上げに携わっています。考案した菓子のビュッフェ提供は、自分の成長のチャンス。お客様が満足する商品開発が目標です。
お客様の喜ぶ瞬間に出会えること

高松さん
所属 : 通販事務/お客様サービス室 所属(2009年入社)
商品の受注窓口業務と、体験教室のコッコアカデミー・ものづくり体験のお手伝いを担当。お客様からの商品が届いた時の感謝の声や、楽しい思い出作りの場に立ち会うことができ、大きな励みになっています。
女性が働きやすい環境が自慢です

高木さん
所属 : 企画広報/企画クリエィティブ 所属(2012年入社)
結婚し2児の子育て中ですが、社長や上司、仲間の助けで、仕事に打ち込める毎日。その時の事情によって時間短縮勤務が可能。大江ノ郷は、人生の様々な場面に合った働き方が見つけられる職場です。
未来の仲間と大江ノ郷をつなぎたい

西村さん
所属 : 総務/経営創造室 所属(2015年入社)
「鳥取県と大江ノ郷を日本一の観光地にしたい」という社長の夢に共感し、入社を決めました。総務として社員を支え、新卒採用窓口として、一緒に夢を追う未来の仲間と会社をつなぐ役割が私の仕事です。
真の観光地を目指して
現在190名が働く大江ノ郷自然牧場。卵の生産から自社で一貫した農業の6次産業を行う同社では、鶏の飼育と卵生産、製造、販売、出荷、広報など、様々な分野で社員が能力を発揮している。“自然の中で働きながら暮らしたい”、あるいは“仕事を通して地域に役立ちたい”など、自分の生き方を尊重して入社する社員が多いのが特色だ。大江ノ郷自然牧場では、社員たちがいきいきと働き、輝くことができる職場づくりを推進している。入社後は、成長に合わせて目標を持てるように、ジュニアからエグゼクティブまでのキャリアアップを体系化。現場指導、研修制度、業務に必要な資格取得支援制度で、社員の成長をサポートしている。また、仕事で輝くためにはプライベートの充実も大切と考え、月に一度は時間短縮のメリハリ勤務(6時間)を設けている。そのほか、勤続1年以上を対象に、連続3日間のバースデー休暇を付与し、有休等と組み合わせて5日間の連続休暇の取得を推奨。日本一笑顔が集まる牧場を目指す大江ノ郷自然牧場は、社員一人ひとりの笑顔も大切なのだ。
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2019年7月には、大江ノ郷自然牧場から2キロ離れた八頭町内に、宿泊・食事・自然体験が楽しめる里山リゾート《OOE VALLEY STAY》がオープン。これは廃校となった大江小学校をリノベーションした施設で、都会から訪れた人が田舎暮しを満喫できる非日常の空間だ。「大江小は多くの人の想いが詰まった地域の宝ですから、その施設を活かし交流拠点を創るのも、私たちの使命だと考えました」と小原社長は語る。鳥取県東部には、まだまだ宿泊施設が少ない。インバウンド客も含め、観光客が鳥取の魅力に触れる受け入れ先整備は、地域にとっても急務なのだ。小原社長の今後の目標は、大江ノ郷自然牧場を訪れる年間観光客数を、鳥取県の人口を超える57万人まで伸ばし、“真の観光地”にすること。「他の産業の少ない地方の町にとって、観光は大事な産業です。美しい自然を求めて人が集まると、食の需要が伸びる。また古くからの食文化が再発見され、その中から特産品も創出できます」。これからは地方が輝く時代。都会では実現できないことが、今の八頭町と大江ノ郷自然牧場なら、実現できる可能性は限りなく大きい。
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