株式会社 角屋食品

原材料から製法までこだわり抜いた最高のアジフライを食卓に

原料から加工まで徹底的にこだわり抜いた境港の逸品

 サクッ。口に入れると粗目の衣のサクサク感に驚かされる。次にジュワーと広がる柔らかでしっとりした白身の味わい。今まで食べていたアジフライとはまるで別物だ。「ちょっと高いけれどやっぱり美味しくて買ってしまう―。アイスクリームでいうハーゲンダッツのような。そんなアジフライを目指しているんですよ」。角谷直樹社長(40)の笑顔の隅に自信が垣間見えた。

 水産加工業の経験が長い先代の悦郎社長が2006年、念願叶えて起業したのが《株式会社角屋(かどや)食品》だ。「自分が美味しいと思うものを造りたい」という一心で、荒波に乗り出した。主軸に据えたのが、境港産のアジ、イワシ、トビウオを使った《やわらかだんご》と、《いわしの昔煮》の2種類。長年の経験や培ったレシピを生かし、自信を持って売り出したものの、ヒットには至らなかった。「素材にこだわり過ぎて、食感や風味は今一つでした」と角谷社長。

 悦郎前社長が体調を崩したため、味の素株式会社の研究者だった角谷社長が2015年に帰郷、翌年代表取締役に就任した。他の水産加工会社との差別化のため、アジフライを主軸の商品に『アジフライ・カンパニー』としてのブランディングを開始した。

「『最高のアジフライ』を目指していますから」と笑顔を見せる角谷社長。フライの美味しさを引き立てる専用のソースも開発した

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手作業による丁寧な仕事でワンランク上の品質を実現

 原材料のアジは地元境港で水揚げされるマアジに限定。産地を限定すれば不漁に陥ったときのリスクは高まるが、“産地を謳える”という大手にない強みが生まれる。地元仲買人と厚い信頼関係を築き、不漁で入荷困難な時も安定して仕入れる体制をとる。水揚げがあった時は、その日のうちに工場へ運び刺身級の鮮度で加工する。加工も手作業にこだわる。機械で背ビレを切断すると割れる可能性があるため、はさみでカット。硬くて口当たりの悪いゼイゴは機械ヤスリで、開いた後に残った骨はペティナイフで1匹1匹丁寧に取り除く。アジフライの衣も手付けだ。その数1日当たり約2万匹にもなる。「産地を境港に限定し、一見すると非効率的に見える手作業で丁寧に製造するのが角屋の流儀」と角谷社長。「安さや数だと、どうしても大手に負けてしまいますからね。彼らが出来ないことをしないと。アジ1匹の付加価値を最大限まで高めていきたい」。

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 「衣」にも徹底的にこだわる。衣でごまかさずアジ本来の風味と食感を味わってもらうため、衣は全体の重量比50%以下に抑えている。そのため角屋食品のアジフライを揚げると魚の肌が薄っすらと見える。パン粉は、メーカーにオーダーメードした粗目の生パン粉を使用している。アジの肉に最適なパン粉を見つけるため複数のサイズを試し、1mm単位で調整したという。原料を国内産小麦に限定したバッター粉には、人工食品添加物も一切不使用だ。素材の風味と食感を生かした“最高のアジフライ”は、海外産と比べれば1・5 ~ 2倍近くにもなり、価格だけで勝負すればひとたまりもない。しかし一度食べたら虜になるほどの美味しさと品質へのこだわりは評判を呼び、地元はもちろん都会のスーパーに並ぶほか、全国の生協や県内外の学校給食にも採用されている。

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境港一光る会社を目指して

 食卓に上る「角屋のアジフライが大好きで、子供の頃から週2回は食べていた」と話すのは、製造場で原料選別を担当する、境港出身の濱田大樹さん(20)。仕入れたアジはまず工場で6種類のサイズに分別、続いて背ビレカット、ゼイゴ取り、開き工程に回す。「ゼイゴが残っていると舌触りはもちろんケガにもつながるので細心の注意が必要」。今冬地元であったイベントでは、揚げたてフライの販売を経験。消費者と直接触れ合えた貴重なひとときだった。「自分たちが作っている商品を、目の前で喜んで食べてもらえて本当に感激でした」。今後は、工場で使われる機械の知識を増やすなどスキルアップを目指す。

「毎日2万匹触っていても飽きません」と笑う濱田さん

 出来上がった製品は一旦冷凍庫へ。注文に応じて袋に詰め、段ボールに梱包する。「商品温度が上がるとふにゃふにゃになるのでスピードが勝負」と話すのは、包装場の戸田千絵さん(19)。時には衣の一部がはがれ落ちたり、重量が足りないフライもある。そこで重要なのが包装場の仕事だ。「不良商品をチェックするのも大事。ここで私たちが見逃すとお客様の元まで行ってしまいます」。戸田さんの表情が引き締まる。「一番下っ端で、ベテランさんに教えてもらうことばかり。でも私なりに経営的意識を持ってより良い商品づくりを考えたい」。入社1年未満にも関わらず、戸田さんの意識が高い理由の一つが、月に一度の若手向け社内研修だ。原価計算からマーケティングや戦略、食品会社としての倫理意識も学ぶ。「難しい言葉がいっぱい出てくるけれど、きちんと説明してもらえるし勉強になります」。

社内のムードメーカーで愛社精神にあふれる戸田さん

 人の口に入るものを扱う食品会社。とりわけ気を遣うのが品質管理だ。品質管理部の田本愛さん(25)は1日1回、工場内を回って備品や設備の異常の有無を確認。専用のキットを使った商品の微生物検査も行う。「たとえば冷蔵保存の時間が長いと増えてしまう菌もある。大学で学んだ化学の知識も生かし、品質向上により力を入れていきたい」。2年前のHACCP(ハサップ)認証取得時には、新人ながら主力となって製造工程をチェック、商品や素材の温度管理なども改めて確認した。「社内で徹底していくのは大変でしたが、先輩社員や工場長に頑張って頂きました」。商品の規格書作成やクレーム対応も担当。「お客様の中にはメールでわざわざ『おいしい』と連絡を下さる方もいらっしゃいます。そういったお声を聞くととてもうれしいなと感じます」。

「食べることが好きなので食品業界に興味があった」と話す田本さん

 商品と消費者をつなげる役割を担うのが、営業事務の足立浩子さん(41)。顧客の注文を製造、包装場に伝達。在庫や商品の出来上がりを確認しながら運送会社にも連絡する。大雪や洪水などで運送手段が阻まれた時は、顧客にこまめに配送状況を伝えるなどして尽力したことも。「社内で一番お客様に接する場所です。商品の問い合わせやお褒めの言葉を頂く時はうれしいです」。角谷社長より社歴が長い足立さん。「先代とは全く違うブランディングで、時代を読む力を感じます」と評価。「起業時は着実性が大事でしたが、今は第二段階。“アジフライといえば角屋”という声をもっと広めたい」。 

中3男児の母でもある足立さん。「女性が働きやすい職場」

 大手製紙メーカーから転身した製造場の柏木康彰さん(34)も、全国展開を視野に入れた経営を提案する。

 「今後、設備投資や作業効率の見直しも必要。でも食品業界で最も大事なのは安全性。手作業の良さを大切にしながら、新たな価値を付加していきたい」。柏木さんは、創業者と共に会社の土台を創り上げてきた現工場長の長男。「苦労を知る工場長の息子さんだからこそ持ち得る責任感や使命がある。同じ志を持つ存在が、会社をより盛り立ててくれれば」と角谷社長は期待を寄せる。

 「小さくても境港で一番光る会社になりたい」。角谷社長は目標を掲げ、研修の充実や給与面での向上も考えている。今年から全社員が毎年昇給する。「モチベーションアップのためには、気持ちだけでなく金銭面も大事。社員一丸となって最高のアジフライをPRしていきたい」。

商品のクオリティを守るため、工場全体に目を配る柏木さん

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株式会社 角屋食品
業種
食品製造業
事業
内容
アジフライを中心とした水産加工食品の製造
創 業 平成18(2006)年6月6日
代表者 代表取締役 角谷 直樹
社員数 39名(男8名 女31名)
〒684-0046
鳥取県境港市竹内団地62
TEL/0859-45-3283

求める人材像

誠実さを兼ね備えている方

事業を通じた郷土、山陰への貢献に意欲を持っている方

自分で考え、責任感を持って行動できる方

効率や生産性を考えられる方

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