島根県警察本部
地域で暮らす人々の安全と安心を守る








見守りやサイバー対策 凶悪犯罪の解決も
地域で暮らす人々の安全と安心を支える警察官。しかし「安全、安心」と一言で言っても、暮らしには様々な場面があり、対応する警察官の仕事も多種多様だ。登下校中の子どもたちの見守りや地域のパトロール、サイバー犯罪への対策、殺人や暴行などの凶悪犯罪解決や交通違反の取り締まりなど多岐にわたる。ただどんな業務を担っていても、想いは一つだ。―みんなが安心して暮らせる街に。
つきまといの被害に遭った友人の事件が警察官を目指すきっかけになったという少年女性対策課の石飛みのりさん(26)。小1から続けていた柔道の指導員に、交番勤務の警察官がいたため身近にも感じていた。「泣いていた彼女に対し、話を聞くことしかできなくて。警察官ならもっと彼女の苦しみを和らげられるのではと考えました」。
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交番勤務や産休などを経て今春から現在の部署に配属。県内のDVや児童虐待などの被害報告を取りまとめ、各警察署の対応や改善点の検証等を行っている。本来は交替で宿直勤務もあるが、石飛さんは子供が小さいこともあり現在は免除してもらっているという。「上司や同僚の配慮に助けられています。平日は、保育所に迎えに行っても午後6時半には帰宅できるので、家庭も大事にできています」。将来は、本部勤務で得た知識や人脈を生かし、現場での活動を希望。「目の前で苦しんでいる人の支えになりたい」。
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少年女性対策課
石飛 みのりさん
休みの日は、子供との時間を大切に
上司や同僚の配慮により、平日も残業がなくて早く帰宅できるので、土日に家事をまとめてするようなことはありません。休日は息子とゆっくりした時間を楽しんでいます。次は育休後にキャリアップを図れる制度「育児サポートキャリアアップ制度」も利用してみたいなと思っています。

重い責任を担えるのは心身が充実しているからこそ
松江署刑事第一課の昌子真也さん(27)は、家族がトラブルに巻き込まれた経験などから、「地域を守れる存在に」と考えるようになった。既に県警で働いていた高校時代の先輩等が、プライベートで会ってもきびきびして格好良かったことも後押しした。「僕の中では、警察官といえば刑事。悪に立ち向かう仕事がしたかった」。そんな昌子さんは今春から念願の刑事となり、強行犯係として凶悪犯罪に立ち向かう。「犯人が全く分からない状況では、どこを捜査すれば解決に結びついていくのかが本当に難しい。経験が浅いので大変です」と苦笑する。一方で、苦しんでいる被害者に間近で接し、強い憤りも覚えている。「現場で泣きじゃくる人や震えが止まらない人に接していると自分まで辛くなります。許せません」。昌子さんの口調が強くなった。
続きを読む プライベートでは2歳と0歳の子供をもつ父。テレビドラマでは何日も泊まり込みをするというイメージも強いが、「事件発生時は帰れないこともありますが、土日は基本休み。休みの日は、子供と遊んでいます。ご飯を食べさせるのも楽しいひとときです」。 記事をたたむ

マラソンを先導する白バイ隊の凛々しい姿を見た母親に勧められ、関心を抱き始めたという交通機動隊の森山彩さん(25)。交番勤務などを経て今春から毎日、重さ約300キロもある1300CCの白バイにまたがり、管内を走り回る。多い時は1日で200キロ移動することも。「取締りでは嫌な顔をされることもありますが、違反の危険性を伝えて事故をなくしていきたい」と顔を引き締める。今は研修期間中で指導員とチームで動いているが、将来的には一人で行動。街頭を走りながら瞬時に状況を判断し、違反者を取り締まる仕事には緊張が強いられる。「自分が事故しないためにもスキルアップは不可欠。自分の限界は、自分しか広げられないと思って訓練を重ねています」。休日もアウトドア派の森山さん。プライベートでも、技能を意識して運転するようになったという。「今は白バイの仕事に夢中です。でも休みの日に向かうのはカフェや映画館。話題のスイーツを友人と食べ歩くのも大好きです」と表情を緩めた。

培った様々な特技を仕事に生かせるのも魅力

機動隊
金築 佳佑さん
非常時の召集は常に意識 仲間と楽しむ休日
今は機動隊の独身寮に住んでいるので、休日も同僚らと映画を見に行ったり、バーベキューをしたりと一緒に遊ぶことが多いですね。共に過ごす時間が長く、自然と結束力も高まっているような気がします。台風が近づいているような時は、非常時の召集を意識します。機動隊は人の命を守る仕事ですから。


中高6年間、吹奏楽部でフルートを演奏してきた森脇鈴さん(20)は、警察音楽隊にあこがれて警察事務を志望。「学生時代、地域の方に演奏活動を支えて頂きました。音楽には、言葉がなくても気持ちを伝えられる力があります。喜びや悲しみも共有できます。そんな音楽を通じて地域に恩返しがしたくて」。週に1回、音楽隊の練習や演奏会をこなしつつ、普段は会計課で落とし物を担当する。受理するだけでなく、持ち主を探して届けることも業務の一つ。「正直音楽がしたくて働き始めたのですが、今は仕事にとてもやりがいを感じます」と打ち明ける森脇さん。「強いというイメージが前面に出がちな警察ですが、優しい一面を伝えやすいのが私たちの部署かもしれません。温かい対応を心掛けたいです」。
女性の利点を生かせ、スキルアップできる職業だと知り、警察官を希望
警察官になれば誰もが警察学校で半年以上、実務や法律、術科などを学ぶ。知識や技能を習得するとともに、地域の安全を守るという使命感と心構えを醸成するのだ。入校中の昌子実那美さん(19)は、「朝から晩まで覚えること、やらなければならないことが多くて、一分一秒無駄にできません」と真剣な眼差しを見せる。
女性警察官の数が少ないことを知って、「早く一人前に」と大学進学ではなく高卒で受験を希望した。一緒に入校した同期とは、日常生活や訓練を共にする中で議論を交わすことも少なくない。「中高時代は友人と意見をぶつけ合うことなんてなかった。皆の『向上したい』という気持ちの強さが表面化しているのだと実感します」。寮生活とはいえ土日は外出泊も可能。昌子さんは実家に帰省して家族に顔を見せることが息抜きになるという。「心から被害者に寄り添えるような警察官になりたいです」。
市民の安全と安心を守るという強い使命を持つ警察官。その責務は、心身両面でゆとりがあって初めて全うできるもの。引き締まった顔と、柔らかな表情を交互に見せる若手警察官たちに眩いほどの充実感を覚えた。

「 授業や実習を通して将来の目標を見つけたい」と話す昌子実那美さん。警察学校では6〜10ケ月、仲間と共に警察官に必要な知識や技能を学ぶ
新人警察官と先輩警察官の対談

【松江警察署】 山本 慎二さん 堀江 はるかさん
市民の一大事に真摯に対応
―事件、事故から道案内や落とし物の処理まであらゆる事案に対応する交番勤務。心掛けている対応は。
―堀江さんは交番に配属されて1年弱。慣れましたか?
現場でのチームワークは不可欠
―チームの必要性を強く感じる時は。

―新人の堀江さんに期待することは。
