株式会社 博愛社

“心で仕事”を信条に地域密着型のサービスを展開

時代と共に多様化するセレモニーの形にしなやかにきめ細かく対応

 誰にでも必ず訪れる、大切な人とのお別れの時間。かつては、家族や親族を中心にご近所が助け合い、自宅で葬儀を執り行うのが常だった。しかし現代では、核家族化や住宅事情の変化などを背景に、民間葬儀社が運営する専用会館・サービスの利用が主流となった。ここ松江市内でも、20年前から葬祭会館の利便性の高さが浸透し始め、今や一般家庭の利用率は90%にのぼる。

 松江市東津田に本社を置く《株式会社博愛社》は、平成9年、島根県の地元事業者で初めて葬儀専用ホール《ハクアイ会館》を開業させた、松江市の民間葬儀社の先駆けだ。創業は、戦争後の混乱から復興の兆しが見え始めた昭和27年。葬儀は主に行政の管轄だった時代、松江市役所の典礼係を勤めていた太田實廣と、地元の有志8名が発起人となり、式の費用など各家庭の事情に柔軟に対応できるよう、松江市では民間初の葬儀社を設立したのが始まりだ。創業から貫かれる経営理念は、『心で仕事、心で奉仕』。故人と遺族に寄り添い、人生最期の時を温かく見送る手助けをするという想いが込められている。現在、市内に《ハクアイ会館》、《カワツ会館》、《春日会館》の3施設を配し、大規模葬からお別れ会、小規模な家族葬まで、また慰霊祭や法要など、多様な要望に応えている。

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「葬儀のスタイルも、故人や遺族の要望で昔から様変わりしています。10年ほど前から、家族と身内だけで執り行う家族葬が増え、葬儀自体がシンプルに簡素化する傾向にあります。当社は、あくまでもお客様のご要望を最優先に対応するだけです」と話すのは、太田敦久社長だ。平成11年開業《カワツ会館》、平成20年開業《春日会館》、その後家族葬専用の“エコホール”を新設。太陽光発電やLED照明を採用するなど、地球環境に配慮した高品質なサービス提供にもこだわっている。今では葬儀業は、フューネラル(funeral=葬祭)産業と位置付けられ、ビジネスとして注目が集まる。ここ松江でも、大手同業社の進出などで業界を取り巻く環境は変化しているが、博愛社の地域密着の姿勢は少しもゆるがない。太田社長は「創業以来、松江に根付く葬儀儀礼文化と共に、地域の皆様に支えられて歩んできました。サービス拡大のために他のエリアへの進出は、考えていません。協力会社と共存共栄しサービスの質を高めることで、地域社会に貢献したい」と語る。

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「ウチの若い社員は、“この会社で働きたい”という電話から、長い付き合いが始まる事が多い」と、太田敦久代表取締役

地域との交流を育むはくあいファーム

旧本社があった松江市西浜佐陀町の敷地に、農場「はくあいファーム」を開園。収穫した農産物は、イベント開催時に来場者にプレゼントすることも。また、7年前から地元ライオンズクラブと連携し、地域の保育園・幼稚園児を対象にさつま芋の苗植え・収穫体験を、毎年開催。農場での子どもたちとの交流は、社員にとって、楽しみながら地域貢献できる機会となっている。

幅広い目線にたってのボランティア活動

ハクアイ会館、カワツ会館、春日会館と3つの会館の周辺を、社員総出で定期的な清掃活動を行っている。また、地元はもとより日本各地で大きな災害が起こった時は、全国の同業者とネットワークを構築し、いつでも支援活動に出動できる体制をとっている。まだ記憶に新しい東日本大震災直後には、ご遺体を運ぶ霊きゅう車を東北に供出。近年では、水害に見舞われた広島で災害支援活動を行っている。

経営理念を形にしたハクアイ松江ギフト

創業から受け継がれる博愛社の経営理念の一つに、地域との共存共栄がある。そのため、松江を代表する四季の風景写真を生かした会葬礼状をはじめ、香典返しや法要の引き出物などで、松江らしさを打ち出したギフトを社内で企画・提案している。お茶、法事パン、カステラ、日本海産岩のり、根こんぶ入り甘露しょうゆ等々。地元の業者が作る商品を中心に取り揃え、採用したご家族にも喜ばれている。

一つひとつの仕事(葬儀)が次の依頼につながる

 創業者である祖父、父親の太田秀夫の後を継ぎ代表取締役を担う太田社長は、平成4年、松江に帰省と共に入社。葬祭業に、ビジネスとしての手応えと可能性を感じたという。「ビジネスとはいえ、他業種のような営業活動はできません。一つひとつの仕事に親切・丁寧にのぞむことが、ご遺族の信用や参列した人の高評価を生み、次の依頼につながってきました」と語る。葬儀は、宗派によって祭壇の設営や式の進行、寺院・神社との関わり方も異なり、身に付ける作法・知識も多い。ひと通りの仕事を覚えるまで、3年はかかるという。「基礎的な接遇マナー、研修、資格取得などは会社が支援しますが、やはり現場を体験することで成長できる仕事です。誰かのために役立ちたいと考える人と、一緒に働きたいですね」。

“心で仕事”を実践する葬儀のプロたち

 葬儀サービス業で働く人の“プロ”を育てる指標に、厚生労働省認定の葬祭ディレクター技能審査※1がある。また、近親者を亡くした遺族のケアを行う専門資格《グリーフケア・アドバイザー※2》も、他社との差別化に活かされている。現在、博愛社ではそれぞれの資格取得者(※1:5名、※2:10名)が活躍中だ。

入社2年目の宇田川大輔さん(30)は、大学時代に一度入社を志望したが、当時は採用枠がなく、他の会社勤務を経て、ようやく念願を叶えた。「小学5年の時、松江の叔父の通夜の席で葬儀社の人の仕事を見て、憧れを感じていたのです。入社後、当時の担当の人が、実は今の上司だったとわかりました」。一つの葬儀が発生すると、打ち合わせから付きっきりで、式終了後も法事などのフォローが欠かせない。「それでも、喪主の方から“任せてよかった”と言われると嬉しいし、モチベーションも上がります」。今は、現場で一つひとつ業務を覚え、実務経験2年以上になったら葬祭ディレクター資格取得を目指す。

総務部で、市内3つの会館の受発注業務を担当する糸賀真梨さんは、新卒入社9年目。ビジネススクール在学中、就職活動の最中に出雲の実家で祖母が亡くなり、担当した地元葬儀会社の対応が好印象だったのを機に、セレモニースタッフを目指したという。「いざ仕事をする立場になると、お客様への声かけひとつが難しく、最初は緊張しましたね。先輩たちは20~30年のベテランが多く、お客様への電話応対、ТPOに即した言葉かけや行動すべてが的確です。私もそうなれるよう、目標にしています」

業務部 宇田川 大輔さん
(平成30年9月入社)

突然の依頼に備え、普段から祭壇で使う道具の手入れも大事な仕事の一つ。「宗派によってまだ知らない作法もあるので、一つひとつ現場で吸収していきたい」

総務部副部長 糸賀 真梨さん
(平成22年4月入社)

仕事の流れがつかめてきたのは、入社3年を過ぎた頃から。「入社前に取得した簿記2級・秘書検定・ファイナンシャルプランナーなどの資格が生かせてうれしい」

入社7年目の柳谷加奈子さんは、3会館で執り行われる葬儀のスタッフ手配、神社・寺院関係者のお世話、ホールでの参列者の誘導などを担当している。葬儀業界での経験は20年。以前は、別の葬儀会社で営業事務を担当していたが、出産・子育てを経て、博愛社に転職した。「同業界といっても、今の仕事はゼロからのスタート。喪主とご家族、参列者の方に満足していただけるよう、日々勉強です。式で泣いていたご遺族が、最後に安堵の笑顔を見せてくださると、ああ、今日も1日きちんと仕事をすることができたと思うんですよね」そんな柳谷さんに、これから業界を志す人にアドバイスを聞いた。「葬儀に携わるからと、身構えずにトライしてほしい。事務所内では冗談も飛び交う、明るい職場です。人としての気遣い・心遣いがあれば、後は現場で身体を動かすうちに仕事ができるようになります」。

 グリーフケア・アドバイザーには、2級・1級・特級があり、営業部長の大崎昇さん(56)は、昨年12月に島根県内で初となる特級アドバイザーに認定された。40代半場で葬祭ディレクター1級を取得した大崎さん。資格取得は、今の自分の仕事を見直す機会でもあるという。「たとえ資格が無くても、葬儀の仕事はできます。でも、長く携わっていると、どうしても慣れが生じ、遺族に寄り添う仕事が“作業”になってしまいます。年長の者が常に自分から学ばなくては、後輩たちもついてきません。これからも常に振り返りをし、会社の指針に合わせて自分を向上させていきたい」と語る。

業務接客部課長 柳谷 加奈子さん
(平成24年10月入社)

昨年、葬祭ディレクター2級を取得。「資格取得は到達点でなく、それまでの勉強の過程に意味があります。あくまで、これからの仕事に役に立つというスタンス」

営業部部長 大崎 昇さん
(平成17年9月入社)

「葬祭業の営業とは、地域活動を通して対外的な信用を得る事」と、地域で終活セミナーなどの講師を務める。松江で初めて視覚不自由者を対象に講演した。

グリーフケア・アドバイザーとは

近しい人と死別した遺族に寄り添い、その悲しみを癒すために段階的なアプローチでケアを行うという専門資格。欧米では古くから取り入れられていたが、日本では一般社団法人日本グリーフケア協会(東京都西東京市)により、2000年代以降注目されている。医療、葬祭業、僧侶・寺院関係などの現場で取り入れられており、2級~1級は協会が開く講座を受講すれば取得できるが、特級は協会の推薦が必要で、年間20人ほどしか認定されない“狭き門”だ。

葬祭業の可能性は広がる

 40代から60代の喪主層は都会在住が多い今、子どもに迷惑をかけないようにと、元気なうちに自分の葬儀の準備をする人が増えている。博愛社では、今年5月から事前に葬儀内容を決め、費用を預けておける信託システム《絆~キズナ~》を開始した。また、お墓を持たず、海に遺骨を散骨する海洋葬や樹木葬の準備も、着々と進行中だ。「古式にのっとった儀式はもちろん、あらゆる葬儀の形を提案し、お客様に選んでいただける会社でありたい」と太田社長。時代のニーズを捉えながらも、“心で仕事”という土台は変わることはない。

島根スサノオマジックを応援!

博愛社は、2010年に誕生した島根初のプロスポーツチーム《島根スサノオマジック》のスポンサー企業のひとつとして、スポーツの面からも地域活性化に貢献。太田代表は、スサノオマジックの運営母体である《株式会社バンダイナムコ島根スサノオマジック》の取締役も務めている。

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株式会社 博愛社
業種
葬祭業
事業
内容
当社会館、寺院、自宅等での葬儀・法要全般。法要ギフト商品の販売
創 業 昭和27(1952)年8月2日
代表者 代表取締役 太田 敦久
社員数 20名(男12名 女8名)
〒690-0011
島根県松江市東津田町1640-5
TEL /0852-25-7971
ハクアイ会館
カワツ会館
春日会館

求める人材像

『大切な人を送る』葬祭業に興味のある方

様々な人とコミュニケーションをとるのが好きな方

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