堀田石油 株式会社
エネルギー活用の未来を拓き 地域の暮らしを豊かに

トータルカーサービスからホームエネルギー事業まで多角的に業務展開
鳥取県西部エリアを中心に、快適なカーライフに欠かせないサービスステーション(以下、SS)を運営する《堀田石油株式会社》。本社がある境港市の他、米子、松江市内に直営SSを展開し、ガソリン・灯油等燃料の販売から、洗車・コーティング・鈑金・車検・新車販売・カーリース、整備工場・保険まで、車に関するトータルサービスを行っている。SSは“堀田石油の顔”と言える存在だが、他にも様々な顔が。漁船などの船舶、工場、事業所に向けての石油製品販売・その他卸売業や、一般家庭・工業用・運輸業などへ、クリーンで高カロリー、しかも災害時に復旧が早いLPガスを販売。堀田石油は、山陰に暮らす人々の生活を支えるエネルギー総合商社だ。
「これから、エネルギーはいかに効率よく使うかが求められる時代です」と話すのは、堀田收(ほったしゅう)代表取締役社長だ。堀田石油では、エリア内に16拠点の直営SSを、9拠点に再構築。その分、顧客満足度を上げるため、様々なカーサポートビジネスを展開している。また、エネルギーの販売にとどまらず、建築物のリフォームや建材販売事業、太陽光発電システム、燃料電池などのホームエネルギー事業を多角的に推進。地域の人たちの暮らしを支えるため、生活創造産業へと進化中だ。

物腰が柔らかく誰に対しても丁寧に話される堀田社長は、境港商工会議所の会頭も務めている
境港の水産業の発展と共に歩んで創業113年
堀田石油株式会社の創業は、明治38年(1905年)。日本石油(株)の特約店として、漁船の給油やランプ燃料の供給からスタートした会社だ。昭和20年代後半から自動車が普及し始めると、昭和31年、境港市で初めて固定式ガソリンスタンドを設立し、モータリゼーションの発展に貢献。プロパンガスが普及した昭和45年には、LPガス充填所を建設し、一般家庭・産業用のLPガス販売にも進出。地域の主要エネルギーの変遷と共に事業を拡大してきた。
漁港として発展してきた境港だが、2000年以降の少子高齢化時代に入り、漁船の減少や原油価格の高騰に伴い、給油業者の統廃合が進んだ。「燃料の需要はピーク時より減ってはいますが、境港には漁業と共に多くの加工業者や物流業者が集まっています。地域の水産業と共に歩み続ける姿勢は変わりません」と、堀田社長は力強く語る。

直売課では給油船による船舶への燃料の供給も手掛ける

LPガスを貯蔵し、ボンベに詰める作業を行う《LPガス充顛所》
環境にやさしいエネルギーのベストミックスを目指す

本社新社屋。日本有数の漁港、境港らしく窓の外に目を向ければ海が広がる心地よいオフィス
オープンで実力重視の社風
堀田石油では、入社後にSSスタッフ実務を経験し、希望や適性に応じて各事業部に配属が決まる。SSの実務を通し、基本的な接客・社会人マナー、企業姿勢を肌で学ぶ期間は個人の成長を促す貴重な体験だ。スタンド勤務を含め、配属先の仕事に必要な資格取得は、会社が全面費用負担。先輩社員たちは、SSでの経験を糧に、それぞれの部門で生き生きと活躍している。


業務課の橋本知明さん。個性的なキャラクターでまわりを和ませる
業務課で燃料・オイルの受発注業務や仕入れ・販売実績管理を担当する橋本知明さん(29)は、夜見SSで2年を過ごし、4年前の5月に本社へ異動。SS配属当初は接客などに気後れする部分もあったが、店長の“お客様とSSは対等”のアドバイスで一大奮起。「仕事で自信をつけるため、得意分野を作ろうと考えました。その頃会社が力を入れ始めた《コーティング洗車サービス》では、みんなとスタートラインは同じですから」。―橋本さんは、勤務後や休日に自分の車を練習台にして、コーティング洗車資格を取得。給油に訪れる常連のお客様を中心に、車体の状態に応じた各種サービスを勧められるようになった。「SSでは尊敬する上司に出会え、お客様はもとより、仲間とのコミュニケーションの大切さも学びました」と橋本さん。
「車に詳しくなかったので、まず車種を覚えることから勉強しました」と話すのは、総務課で経理・事務業務を担当する工藤奈都子さん(27)だ。学生時代のアルバイトで接客経験はあるが、SS勤務は初めて。「給油以外にも、タイヤのエアチェックや交換、バッテリー・オイル交換、洗車など、お客様に様々な商品やサービスを販売するのですが、店舗での研修があって心強かったです」とほほ笑む。勤務時間内は、暑さ・寒さを体感しながら外での立ち仕事が多い。「くじけそうになる事もありましたが、お客様に顔を覚えていただけた時から、頑張ろう!と思えるようになりました」―持ち前の前向きな姿勢と素直さは、総務課配属後の今も変わらない。「経理の仕事も初めてですが、周りの先輩方が丁寧に教えてくださいます。1日も早く部署の戦力になりたいです」。経理を基礎から学び、簿記研修・資格取得に意欲的にチャレンジしている。

総務課の工藤奈都子さんの笑顔はSS時代からお客様にも人気







地域NO.1のSSを目指して
青とグレーの地に、右胸には「KeePer 技術認定 1th Grade」のロゴ。コーティング技術1級認定のスタッフだけが着られる専用つなぎだ。卸団地入口SSでは、7人のスタッフ中、5人が腕を通す。昨夏取得した澤村勇輝さん(22)は、「お客様の要望に応えられることが増えた」と笑顔を見せる。
丁寧な接客による営業力にも定評がある。新人時代はわずか2ケ月で20個のバッテリーを販売。同期でダントツトップだった。最近は、顧客データを記録したタブレットも活用して細目にサービスを提案する。「車の状態をお伝えして声を掛けることで、お客様の満足度を上げたい」。
日吉津北SSの新人、岩瀧遼さん(24)はタイヤ担当。溝や傷などをチェックして整備や販売を勧める。「判断できるのかと初めは不安でしたが、次第に良し悪しが分かってきました」。自社で取り扱うタイヤだけでなく、休日には他車種を扱うディーラーやスタンドに出向いて知識を深めている。「経験知識不足でお客様のニーズに応えきれないのがもどかしい。より信頼されるスタッフになりたい」。

卸団地入り口SSスタッフ 澤村勇輝さん。ソフトボールやボルダリングをするスポーツ好き
太陽光発電、リフォーム、SSから広がる商機を掴む
平成24年に中途入社した渡孝一さん(47)は、直売部住設営業課係長を務める。SS業務は学生時代のアルバイトで経験済み。前職で培った太陽光発電システムとリフォーム施工経験を生かし、住宅設備部門の中核として活躍中だ。「たとえば従来型のキッチン・風呂場の給湯システムや最新のエコライフ商品も、堀田石油の主力となる石油・ガスにつながっている。そんな会社の根っこから離れていない点に魅力を感じ、入社しました。長い付き合いのSSのお客様から、仕事をいただく機会も多いです。『堀田さん、リフォームもやってるの?』と驚かれますが、地域でもっと住設部門が浸透するよう、施工実績を伸ばしたいと思っています」と、新規事業への意気込みをのぞかせた。

直売部住設営業課係長の渡孝一さん。2014年度 Dr.おうちのエネルギー判断コンテストの総合部門で全国2位に