株式会社 キグチテクニクス

未来のものづくりを創造 世界を舞台に活躍

世界が認める高技術で人々の安心安全を支え、最先端材料開発にも貢献

 普段何気なく乗っている車や、子どもたちが公園で使う遊具。当たり前になっている“安全”の陰には、数えきれないほどのテストが行われていることをご存知だろうか。国内最大級の独立試験所《株式会社キグチテクニクス》は、身近な遊具や自動車を始め、飛行機やロケットなどの航空宇宙、火力発電所などのエネルギー業界で使われる金属や複合材などの品質や性能評価を実施。国内外の“ものづくり”を支え、私たちの暮らしに安心・安全を生み出している。さらに、未来を創る最先端の技術にも大きな力を添えている。
 “鋼の町”として知られる島根県安来市で1961年、高級特殊ヤスキハガネの研磨を手掛ける会社として創業。その後、機械加工や試験部門に事業を拡大してきた。試験会社としては後発組だったことから、ISOマネジメントシステムなどの国際規格を積極的に取得する戦略を進め、2010年には航空宇宙業界での国際的な認証プログラム《Nadcap》を取得。GE(ゼネラル・エレクトリック)を始めとする世界3大航空機エンジンメーカーのすべてから認証を受けるなど、国内外の大手企業から高い評価を受けている。

ワイヤー放電加工機を集約、再配置したワイヤー放電加工職場

創立60周年を記念して、本社屋をリニューアル。「鉄鋼」を使ったマテリアル表現▽「未来」性を感じるディティール▽「本物」志向で長く愛されるデザイン―企業理念にオーバーラップする3つの思いを、ファサードデザインに反映した

社屋内観も、スタイリッシュな雰囲気に一変

試験業務で培った技術を糧に新事業にも意欲的に挑む

 同業他社に負けない特徴的な強みが、試験素材の切り出しから熱処理、加工、試験評価まで、全国でも数少ない一貫受注体制を築いていることだ。高品質、短納期、低コストの実現を可能にし、国際的な競争力を得た。年々増加する受注に応じて設備投資も積極的に進め、業界有数のサプライヤー、米・MTS社の試験機は100台規模で所有。高温での材料特性を評価するクリープ試験機約350台、疲労試験機約80台設置するなど世界有数の試験ラボとして認知されている。

高温での材料特性を評価するクリープ試験機は約350台所有。世界有数の試験ラボだ

 2019年には、米国市場での拠点と位置付けるアメリカ法人を設立。さらなる展開に向けて動き出した矢先、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行で主軸の航空機業界が大打撃を受けた。昨秋以降は、カーボンニュートラル実現への動きも加速し、売り上げに影響。航空宇宙業界に狙いを定め、業績を上げてきた経営戦略に変革が求められた。しかし、武久浩之取締役は、「ピンチではなく、チャンスだと考えています」と断言。「電動化や水素エネルギー、再生可能エネルギーなどの分野は間違いなく伸びていく。創業以来の得意分野である金属材料をベースに、新素材にもターゲットを広げ、他社との業務提携や試験に留まらない事業展開を考えている」と続ける。

大手航空機メーカーの研究技術職から移籍した武久取締役。今年、営業から技術に担当が代わり、エンジニアの血が騒いでいる。「進行中の各種研究事案が、実際のビジネスにつながるよう統括していきたい」

 その一つが、2020年に設立した名古屋コンポジットファクトリー(愛知県春日井市)だ。軽量化素材として関心が高まるCFRP(炭素繊維強化プラスティック)製の試作部品を創るためのラボで、試験だけでなく、ものづくりから関わるチャレンジをスタートさせた。「航空機や自動車部品などの試作は勿論、例えば義足のような、一品一葉の高品質なものを手掛けていきたい」。本社新工場の一角には、CFRP加工設備を集約しており、試験業務の受注も伸びてきている。培った経験と技術を生かして、新事業に挑んでいるのだ。

難削材も高精度に加工

 主軸の試験業務において、最初に必要な工程が試験片の製造だ。顧客に提供された素材から、指定の部位をワイヤー放電加工機や鋸盤などで切り出し、必要に応じて熱処理を行って小さなピースに加工する。製造部製造一課でワイヤー放電加工を担当する内久保俊樹さん(21)は、「扱う素材の多くが鉄やアルミですが、時には見たことがないものも。形状も平板から椀型までさまざまなので、素材を見極めて切断方法を考え、機械に適切に固定するだけでもひと苦労です」と苦笑いする。直径0.1~0.3ミリ程度の極細い黄銅線で、材料を溶かしながら所定の形状に加工していくワイヤー放電加工。難削材も高精度に加工できる強みを持つが、電気を通さない素材の場合は使うことができない。その場合は、加圧した水を高速で噴射することで加工するウォータージェット方式を用いるなど、加工手段を考える必要があるのだ。

 小学生の頃はレゴに夢中だったという内久保さん。松江工業高校卒業後、ものづくりに携わりたくて、キグチを選んだ。「指示書に書かれている顧客名を見ると、国内外の大手有名メーカーが多く、『こんな有名な会社とつながっているんだ』と驚かされます」。試験片加工には、一つとして同じものはない。時には、数ミリ四方の素材を半分に切るような細かい作業を求められることもあるという。「先輩たちのようにどんな素材も、高精度に加工できる経験とスキルを身に付けたい」。

製造部製造一課の内久保俊樹さんの指先は、少し黒い。「切断時に出る鉄の微細な加工くずが手に付いてしまうんです。作業後、専用の石鹸で洗えば落ちるんですよ(笑)」。黒く染まった指先は、真摯に仕事に取り組んでいる証だ

世界有数の試験ラボ

 内久保さんら製造部が作った試験片を用いて、材料特性や組織などを調べるのが試験部の仕事だ。強度試験課金属材料係の長尾真吾さん(33)は、試験片が破断されるまで荷重を加え、材料の強度や伸びなど機械的性質を測定する引張試験を担当。係長になった今年6月以降は、200台以上ものクリープ試験機など各種試験機とスタッフ6人のスケジュール管理や技術指導がメイン業務になった。「数秒で終わる試験もあれば、2年間荷重をかけ続けている試験も。どの試験にどれくらいの時間がかかるかを見極め、効率的に試験業務を進める必要があるのです」。

 手掛ける試験片の多くは、航空ジェットエンジンなどの重要パーツであるタービン。高価で替えが効かない試験片も少なくなく、プレッシャーも大きい。長尾さんらはダブルチェックなどでミスをなくすよう努めているほか、進化し続ける業界に対応できるよう、知識を深めることにも余念がない。「材料に関する研究者らの論文を読んだり、試験機の規格を深く理解したりして、さらに専門的知識を体得したい」。

建設会社での勤務を経て、結婚を機に島根にUターンした強度試験課金属材料係の長尾真吾さん。ものづくりに携わりたくて、キグチテクニクスを選んだ。「納期があるので大変な時期もありますが、活気のある会社だと実感します」

電子顕微鏡でミクロ組織を解析

 大学で触媒を専門に学んだ増田ミユさん(24)は、疲労試験課組織解析係で金属の組織解析を担当。薬品で腐食させた金属表面を、光学顕微鏡や電子顕微鏡で観察してミクロ組織を解析している。電子顕微鏡を使えば、最大30万倍もの大きさで見ることができる金属組織。「結晶の粒界がはっきり見えるので、素材の規格に応じた大きさか否かを評価しています。扱う素材は航空宇宙関係のものが多く、一つ間違えれば大事故につながる可能性も。緊張感を持って臨んでいます」。

 解析した結果を顧客に届ける報告書にまとめるのも増田さんの仕事。「先輩方に指導してもらったり、勉強会などで知識を増やしたりして、できる仕事を増やしたいです」。キグチでは、研究者やメーカーの担当者らを講師に招く勉強会を随時主催しており、スキルアップできる環境が整っている。未知の領域に臨むには、日々の研さんが欠かせないのだ。

「電子を当てると何が含まれているか分かるなんてすごいですよね」と話すのは、疲労試験課組織解析係の増田ミユさん。大学ではほとんど使うことがなかった電子顕微鏡が今や、日常業務に必須の相棒だ

変革し続ける〝世界のキグチ〟

 一貫体制を強みにしてきた同社だが、時代のニーズが加速的に変化する中、異業種との連携も積極的に始めている。2021年には、東京のソフトウェア会社と共同で、実測と解析を融合した技術サービスをスタート。3Dモデルデータを基に、金属粉末から航空機やロケットのエンジン部品を積層造形する共同研究も、島根大学や3次元造形の技術に強い民間会社と進めている。

 主軸の一つである試験片加工においては、従来別々の機械で行っていた粗加工と仕上げ加工を全自動で行えるシステムを業界で初めて導入。試験片加工能力の向上でコスト競争を勝ち抜き、アフターコロナの受注拡大を狙う。武久取締役は、「守りに入ったら生き残れない時代。成長し続ける為には、航空宇宙業界や金属材料という当社の強みを一層強化しつつも、チャレンジし続ける必要があるのです。変革を楽しめるたくましい人にぜひ来てほしい」と呼び掛ける。

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株式会社 キグチテクニクス
業種
製造業、検査業
事業
内容
試験片製作及び試験業務
創 業 昭和36(1961)年11月1日
代表者 代表取締役 木口 重樹
社員数 178名(男151名 女27名)
〒692-0057
島根県安来市恵乃島町114-15
TEL/0854-22-2619
東日本事業所
中日本事業所
東京試験所
名古屋コンポジットファクトリー

求める人材像

飛行機、車、機械いじりが大好きな方

浅くても、幅広い知識を持っている方(材料、機械、電機、プログラミング)

提案力があり独創性豊かな方

お客様の立場でものを考えられる方

諦めない姿勢とこだわりを持ち、粘り強く取り組める方

簡単に「できません」といわず、明るく、色々な提案ができる方

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