馬潟工業 有限会社

未知の領域に挑み地球と、世界に貢献する

未知の領域に挑み地球と、世界に貢献する馬潟工業 有限会社

最先端の設備を生かし航空宇宙関連部品の特殊鋼を高精度で加工

 地球と、世界に貢献する―。掲げられたスローガンは、伊達ではない。航空宇宙品質マネジメントシステム認証(JISQ9100)を有する《馬潟工業有限会社》は、航空機やロケット、エネルギー産業関連など高度な技術力や精度が求められる部品を製造。山陰の片隅で生み出された様々なパーツが世界中、時には宇宙空間をも駆けめぐっているのだ。「世の中の人々がなかなか携われないものを生み出しているという自負はあります。自分が手掛けたものが、遥かなる宇宙や地球の反対側で飛び回っているなんて、ロマンですよね」と松尾和夫社長(51)。技術者としての誇りと、夢を抱く少年のような高揚感が入り混じったような表情を見せた。
2020年9月に新設された馬潟工業 有限会社の看板
2020年9月に新設された会社の看板

設備機器会社の営業マンだった松尾和夫社長。帰郷して家業を継承した頃はインターネットもなく、専門知識の取得に苦労したという。「教育システムを整える大切さを痛感しました」。

 第二次世界大戦真っただ中の1942年に創業。船のエンジンなどを手掛けていた《株式会社石橋鉄工所》が、魚雷の部品を作るために新設した馬潟工場が前身となる。戦後、《佐藤造機株式会社(現三菱マヒンドラ農機株式会社)》や《日立金属株式会社安来工場》などから仕事の依頼が相次ぎ、業績は飛躍的に向上。1975年には、石橋鉄工所から独立し、馬潟工業として新たなスタートを切る。日立金属安来工場から請け負った高級特殊鋼機械加工の仕事は、社員の技術力を育んでいった上、他社を圧倒する短納期で益々躍進。地域でも先駆けてNC旋盤を導入したのちには、大型機械部品加工の量産も可能になり、業界での存在感を増していった。
 大きな転機となったのが、特殊鋼加工技術を中核に航空機産業を目指す県内企業のサプライヤーグループ《SUSANOO》への加入だ。既に導入していたISO9001に加え、JISQ9100認証を取得した上で2013年、設立メンバーに加わった。「高い技術を誇る安来市内のライバル企業と面識が出来た上、グループとして県外で積極的に営業を行えるようになりました。会社の知名度が上がり、単独では得にくかった情報や知識を得られたことも糧でした」と松尾社長。グループとしての営業で大手メーカーと接触することで、顧客ニーズもいち早くキャッチできるようになり、松尾社長はトレンドを先取りした巨額の設備投資に踏み切った。「他社にない“武器”がなければ、世の中では戦っていけない」。次世代を担う若手社員の未来を見据えてのことだった。
 機械加工において、設備の充実度は請け負える仕事の質も量も左右する。馬潟工業は、国内最大級の帯鋸盤や西日本で数台しか導入実績がない最先端の横形複合加工機、異形品の複雑形状や大型部品の高精度測定が可能な三次元座標測定機も保有。高い技術で加工された高精度の製品は、航空宇宙や防衛関連のメーカーからも一目置かれており、日本三大重工業の一角を成す《株式会社IHI》や、大手鉄鋼メーカー《株式会社神戸製鋼所》とも取引がある。
縦4m、横1.2m、高1mの大きさの物まで高精度で計測できる「三次元座標測定機」

 コロナ禍で航空機産業は落ち込み、馬潟工業も少なからぬダメージを受けた。しかし、リーマンショックや東日本大震災で経営に陰りが出た際も、常に攻めの姿勢で数々の新境地を開いてきた松尾社長は、前向きだ。「金型や補修部品のほか、液晶ディスプレイ、HDDなど電子デバイスなどの仕事は継続してある。大手との受注回復の兆しもある。今は、技術を磨いてレベルアップを計る時だと捉え、人材育成に一層力を入れたい」。

 更なる技術力アップを狙うには訳がある。一般的にイメージされる機械加工と違って、馬潟工業が扱うのはほとんどが形状も素材も特殊な製品のため、大量生産や単純労働とは程遠い。受注ごとに新たな設計図が描かれ、未知の領域に挑むのだ。唯一無二のものづくりに挑戦し続けるからこそ、地球と世界に貢献できるのだ。

馬潟工業で働く社員の声(どんな仕事?どんな会社?)

無限の可能性がある仕事

黒川 一さん(52)
加工品課課長 加工品課担当(1994年入社)

 プラモデルが好きだったこともあり、機械で鋼材を削り、様々な形に加工する作業は面白いです。現在はNC旋盤の担当で、プログラミングも作成。自ら作った治具を機械に取り付けることで、既存の機械の加工能力を大幅にアップさせたこともあります。可能性がいくらでも広がる仕事です。

独自性生かした営業マンに

藤原 正義さん(31)
営業担当(2019年入社)

 大学までバスケットボールを続けていた縁で、神戸のバスケウェアメーカーに就職。Uターンを機に、新しい分野に挑戦したくて転職しました。当初は金属のことが全く分からず、顧客にまで質問することも(苦笑)。今後はもっと知識を増やし、会社の独自性を生かした営業をしたいです。

12トンもの鋼塊を加工

内田 純平さん(34)
鋼材課第五工場機械加工担当(2014年入社)

 巨大な鋼塊を大型旋盤機で削ったり、切断したりして、材質を検査できる状態にして顧客に届けることで、ものづくりのスタートを支えています。時には12トンもの鋼塊を扱うことも。最新設備を揃え、若手が働きやすい環境を整えてくれているので、色んなことに挑戦できる会社です。

最先端の複合旋盤を操作

坂口 昇さん(38)
加工品課新一工場機械加工担当(2003年入社)

 NC言語でのプログラミング作成を担当。2軸加工の旋盤機に加え、同時5軸加工が可能な最先端の複合旋盤も操作しています。どこにもない機械を操作できる自負と、できることが増え、達成感を得られる点がやりがいにつながっていますね。今後はマシニング技術をもっと磨きたいです。

高精度計測機を生かし、ニーズ拡大へ

榎木園 健さん(47)
品質保証課係長(2010年入社)

 社員数千人規模の企業で働いていた時は、歯車の一つのような感覚でしたが、今の会社は横のつながりも強く、チーム力を感じます。町工場としては特殊な仕事をしている点も魅力ですね。他社にない高精度高機能の計測機を生かし、今後は受託計測なども視野に入れて、技能を上げたいです。

プログラミングから加工まで担える人材に

大城戸 貴之さん(22)
加工品課第四工場機械加工担当(2018年入社)

 航空機部品を扱っていることに興味を抱き、入社を決めました。理屈が分からずに機械を操作すれば壊れる可能性もありますが、当初はプログラムを見ても動作の意味が分からない上、専門用語にも慣れず、戸惑いました。将来は自分でプログラムを作って機械を動かせるようになりたいです。

最先端設備を使いこなせる技術者に

松阪 拓巳さん(34)
加工品課第四工場機械加工担当(2007年入社)

 汎用旋盤や鋸盤、水中ワイヤ放電加工機など5種類の機械を担当。一日のはじめに納期を確認して目標を決め、作業を進めるスタイルが自分の性格に合っているようです。初めての材質や形状に挑む時は難しいですが、ワクワクします。最先端の機械も使いこなせる技術者になりたいです。

勘や経験を生かし、見えない部分も加工

佐々木 幸久さん(38)
鋼材課第五工場機械加工担当(2007年入社)

 汎用旋盤で長さ約1500ミリのロングバーの内径加工を行っています。目に見えない部分を削っていくので、勘や経験が伴った技術が必要なのですが、当初は振動が影響して削り過ぎてしまうこともありました。社内にある多種多様な機械をすべて使いこなせるような技術者になりたいです。

創造する楽しさを体感し、特別なスキルを育む

 耐熱鋼や超耐熱合金などの特殊鋼や、ニッケルやチタンなど難削材の機械加工と聞けば、入社前から専門的な知識や技術が必要な業種に思える。しかし松尾社長自身、異業種の営業畑からの転身組。「素人でもやる気さえあれば大丈夫」と太鼓判を押す。自らが苦労した経験を生かして社内の教育システムを整え、近年、若い人にはまず馴染みやすいデジタル加工機の操作を通して、ものづくりの楽しさを体感してもらうように。その上で旧来の機械で細やかな加工技術を磨いてもらい、技術者としてのプライドと確かな技能を育てている。
 コロナ禍で生産体制に余裕ができたことで、人材育成に時間をかけることも可能になった。世界的に不況に見舞われた2020年度は、大手メーカーの熟練加工技術者がビデオやWEBで行う講習会を実施したり、社内でもベテランが若手について細やかに指導したりした。常務取締役の寺本秀美工場長(60)は、「今までは納期に間に合わせるのが精一杯で、正直教育に時間をかける余裕がなかった。コロナ禍は、人材育成に注力できる、いいきっかけになった」と話す。

「四角や真ん丸の素材から、さまざまな形に削り出していく過程が楽しいんですよね」と話す寺本秀美工場長。管理職になった今も、ものづくりの魅力に惹きつけられている。

 高度な技術力を持つ《SUSANOO》への加入で、他社との連携も実現できるようになった。事業だけでなく、毎年各社若手社員を2人ずつグループ内の他社で研修させるプログラムを実施。「他社の優れた点を自社に持ち帰って他の社員らにフィードバックするなど、グループ内で互いに高め合えるスタイルが生まれています」と寺本工場長。また、業務上、さまざまな設備を使いこなす必要があるため、各種資格の取得補助も積極的に行っている。「クレーンと玉掛けの資格は入社後必ずとってもらうほか、リフトなど業務上必要な資格を取得する費用はすべて会社が負担しています」。希望すればスキルアップできる環境が整えられているのがうれしい。

材料を下に置き、上からの刃物で加工できる。台も刃物もいろいろな角度に動くので複雑な形状の加工ができる「立型5軸複合加工機」

フォークリフトを運転する佐々木さん

 ものづくりの醍醐味は、一から形を造り上げて新たな物を生み出せること。特に馬潟工業では、他社では扱わないような特殊素材や難削材を、毎回新たなニーズに応じて加工していくことが求められる。挑み続けられる職場は、時に試練だが、他社では得られない特別な技術やスキルを得ることができる。現場を知り尽くした松尾社長と寺本工場長が、声を揃える。「毎日が挑戦。辛いこともありますが、達成できた時の喜びはひとしおです」。
31
馬潟工業 有限会社
業種
金属加工業
事業
内容
特殊鋼と呼ばれる金属材料を顧客指定の形状に加工する
創 業 昭和50(1975)年10月21日
代表者 代表取締役社長 松尾 和夫
社員数 48名(男47名 女1名)
〒690-0025
島根県松江市八幡町786番地
TEL/0852-37-0106

求める人材像

とにかく物を作ることが好きな方、頭を使うより体を使って何かを作り出すことが好きな方を求めています。実際のお仕事は工場の現場作業になりますので、体の丈夫な方、体力に自信がある方であれば更に向いていると思います。加工する機械は一人で動かす機械ですが、周りの社員さん達と連携する業務もあるので、協調性があって、上手にコミュニケーションを取りながら協力して業務を遂行することができる人材を求めています。

資料請求・お問い合せ先

採用直通 TEL