TSKグループ

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失敗を恐れず挑み続ける

地域を生かす発展を狙いグループ6社の連携を強化 山陰を担う若手らの支援制度も

 TSKの愛称で親しまれる《山陰中央テレビジョン放送株式会社》を中心に、メディアやイベントプロデュース、IT、不動産業など多彩な業務を展開する《TSKグループ》。グループ6社それぞれが時代の変化の風を捉え、率先して革新的なサービスを創出するとともに、地域に密着した企業活動を推し進めてきた。

 各社の経営規模がより拡大してきたことを背景に2018年4月、山陰の未来を担う若手や後継者を支援するグループ基金《さんいん未来・縁人(みらい・えんじん)》を設立。TSK社長で、グループを束ねる田部長右衛門代表( 39 )は、「会社がサスティナブルに、つまり環境や社会と共存しつつ発展していくために、社会貢献は不可欠です。1社の力では限定的ですが、グループ6社がタッグを組むことで、財政的にも内容的にも相当程度の事業を行えると自負しています」と話す。《地域に信頼され地域と共に発展する》というグループ理念をまさに体現化した形だ。

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 基金の特色は、「地域伝統芸能」「地域伝統工芸」「地元スポーツ」の3分野を支援の中心に据えたことだ。国内有数の山林大地主であるとともに、県内の文化芸術振興にも力を注いできた、田部家の歴代当主。25 代の田部代表は、幼い頃から様々な伝統文化に触れ、担い手たちの声を身近に聞くことも少なくなかった。「山陰ほど多彩な芸能や工芸がある地域はありません。市民の生活に根付いた地域の祭りや神楽、踊りは今も各地にあります。窯元は100以上もあり、紙漉きや塗り、染め物、組子細工など様々な伝統工芸が随所で引き継がれています。しかし多くが後継者不足や資金難、経営難に苦しんでいます。私たちは、地域の宝を残し、担い手を応援したい。そして将来世界に羽ばたくスポーツ選手たちの力になりたいのです」。田部代表の口調が思わず熱くなった。
 
 6社が資金を出し合って毎年1000万円の予算を捻出、初年度から積極的に事業を展開した。7年前からTSK単独で実施してきた伝統芸能助成金制度は総額を拡充し、今年度は獅子舞保存会や神楽社中など 20団体に助成。伝統工芸を受け継ぐ職人たちの作風や想いを紹介する独自番組《TAKUMI―山陰の創造者たち》も制作、シリーズ6回の放映は注目を浴び、海外への配信も行っていく。
 
 スポーツ振興への思いも並々ならない。数々の支援活動に加え、「近代スポーツの父」として慕われた松江市出身の岸清一氏の名を冠したスポーツ表彰制度も創設する。地域の偉人を知ってもらうとともに、自らの可能性を信じて頑張る山陰の選手らを応援したいとの思いだ。「日本は、海外に比べてスポーツや文化を担う人への敬意が少なく、待遇も低いのが現状。ここ山陰から、文化を愛し育てる土壌を少しずつでも醸成していきたいのです」。
 
 グループ連携の強化は、幅広い視野を持つ人材育成強化にも繋がってきている。昨年からグループ6社の若手を集めた交流会を不定期に実施、グループ内ベンチャーの発足を狙った合宿も予定している。「経営は年齢ではなく経験です。若い時から経営的な目線を持ち、常に斬新で挑戦的なアイデアを生み出す訓練をしていれば、柔軟で時代を見通す力を持つことができます。また、会社の枠を超え、他業種の人と会うことで刺激を受け、視野も格段に広がる。そういう人材を育てたいのです」。弱冠 30 歳超で家業を継承し、経営を考えてきた田部代表だからこそ、若手への期待も大きい。

「大切なのは、トライ&エラー。 成功は、莫大な失敗の先にあります。失敗して再挑戦できる土壌を作りたい」。

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