TSKグループ

時代を見通し、地域を創造するグループ力

グループの連携を強めて、地域の発展狙う

 TSKの愛称で親しまれる《山陰中央テレビジョン放送株式会社》を中心に、メディアやイベントプロデュース、IT、不動産業など多彩な業務を展開する《TSKグループ》。グループ各社それぞれが時代の変化の風を捉え、革新的なサービスを創出するとともに、地域に密着した企業活動を推し進めてきた。

 各社の経営規模拡大に伴い、グループ連携も強化。昨春には、山陰の未来を担う若手や後継者を支援するグループ基金《さんいん未み来らい・縁えん人じん》を設立した。TSK社長で、グループを束ねる田部長右衛門代表(40)は、「環境や社会と共存しつつ会社が発展していくために、社会貢献は不可欠。グループでタッグを組めば、財政的にも内容的にも“濃い”事業を展開できます」と話す。

 支援の中心に据えたのは、「地域伝統芸能」「地域伝統工芸」「地元スポーツ」の3分野だ。田部家の歴代当主は、国内有数の山林大地主であるとともに、県内の文化芸術振興にも注力。25代の田部代表は、幼い頃から様々な伝統文化に触れ、担い手たちの声を身近に聞くことも少なくなかった。「山陰ほど多彩な芸能や工芸がある地域はありません。暮らしに根付いた地域の祭りや神楽、踊りは各地に残ります。窯元は100以上もあり、紙漉きや塗り、染め物など様々な伝統工芸が随所で引き継がれています。しかし多くが後継者不足や資金難、経営難に苦しんでいます。私たちは地域の宝を残し、担い手を応援したいのです」。田部代表の口調が思わず熱くなった。

 グループで年間1000万円の予算を捻出。支援事業の目玉の一つが、グループの強みを生かして作った独自番組《TAKUMI(たくみ)―山陰の創造者たち》だ。伝統工芸を受け継ぐ職人にスポットライトを当て、生の声を捉えながら、心に染み入るナレーションや美しい映像で作風や想いを伝えている。昨年度は6回、今年度からは12回放映予定で、シリーズ化も狙っている。短い番組だが視聴率が高く、スポンサーからの評価も高いという。伝統芸能への助成金制度のほか、今年度には、「近代スポーツの父」として慕われた松江市出身の岸清一氏の名を冠したスポーツ表彰制度も創設。2020年3月に表彰式を行う。TSK制作のゴルフ番組に絡め、地元ジュニアプロゴルファーの養成も始めた。

 人材育成強化も、グループ連携で進め始めた。今夏初めて、グループ内ベンチャー発足を狙った若手対象の合同研修・合宿を実施。最終日には精鋭15人が、新規事業のプレゼンテーションを各社社長の前で行った。直前までアイデアを練り上げ、地域のニーズを捉えたニュービジネス展開に熱弁をふるったという。「予想以上の頑張りに、頼もしさを感じました。若い時から経営的な目線を持ち、常に斬新で挑戦的なアイデアを生み出す訓練をしていれば、柔軟で時代を見通す力を持てます」。弱冠30歳超で家業を継承し、経営を考えてきた田部代表の言葉には説得力がある。「会社の枠を超えて、他業種の人間とセッションすることで刺激を受け、視野も広がる。グループ連携の強みを生かして若手を磨き、アイデアを具現化していきたい。大切なのは、トライ& エラー。我々は失敗しても再挑戦できる土壌を作ります。社員には、自ら創造する喜びを実感してほしい」。

松江市郊外のアウトドア施設で行われたグループ各社の合同合宿では、田部代表も「想像以上」と評価するほど斬新な意見やアイデアが飛び交った

夜にはバーベキュー大会も開かれ、若手社員らが会社の枠を超えて交流。グループとしての結束力強化も図る大事な時間になった

 良い人材が育てば、会社の力も上がる。グループ総売り上げは今後、200億円超えを狙うと共に、総勢約600人の社員数もさらに増やし、地域の雇用創出にも貢献したいという。「各社のブラッシュアップとともに、ベンチャーなどの新会社設立や孫会社との連携などで規模感を拡大し、盤石なメディアグループとして影響力を高めていきたい」。意欲に満ちあふれている代表を筆頭に、TSKグループは躍進し続ける。

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