TSKの愛称で親しまれる《山陰中央テレビジョン放送株式会社》を中心に、メディアやイベントプロデュース、IT、不動産業など多彩な業務を展開する《TSKグループ》。グループ各社それぞれが時代の変化の風を捉え、革新的なサービスを創出するとともに、地域に密着した企業活動を推し進めてきた。2021年9月には、総合広告会社《株式会社山広》もグループに加わり、さらなる事業展開を目指している。
各社の経営規模拡大に伴い、グループ連携も強化している。年間1000万円の予算を捻出するグループ基金《さんいん未来・縁人(えんじん)》では、「地域伝統芸能」「地域伝統工芸」「地元スポーツ」の3分野を中心に、未来を担う若手や後継者の支援を展開。TSK社長で、グループを束ねる田部長右衛門代表(42)は、「環境や社会と共存して、会社が発展していくために、社会貢献は不可欠。グループでタッグを組むことで、財政的にも内容的にも充実した事業を展開できます」と話す。《地域に信頼され地域と共に発展する》というグループ理念をまさに体現化した形だ。
国内有数の山林大地主であるとともに、県内の文化芸術振興に注力してきた田部家の歴代当主。25代の田部代表も、幼い頃から多彩な伝統文化に触れ、その素晴らしさを体感してきた。「暮らしに根付いた地域の祭りや神楽、踊りは山陰各地に残ります。窯元は100以上もあり、紙漉きや塗り、染め物など様々な伝統工芸が随所で引き継がれています。しかし多くが後継者不足や経営難に苦しんでいます。私たちは地域の宝を残し、担い手を応援したい。そして将来世界に羽ばたくスポーツ選手たちの力になりたいのです」。